ルナのキモチ

保育園でひらがなやカタカナを読み書きできるようになってから、
ルナはユウに絵本を読んであげることが楽しいみたい。

昨夜もユウに絵本を読んであげていた時のこと。読み終わってから、突然


「ルナね、おばあちゃんに会いたいの」


と言い出した。おばあちゃんとは私の母のこと。母は昨年11月に亡くなった。
当時、4歳を迎える直前だったルナにとって、母の死をどれくらい受け入れているのかは分からない。ただ、

「おばあちゃんはお空に行ってしまって、もう会えないの」

と言い、それから母についてはあまり話をしなくなった。


ときどき、母との思い出の中にある物にふれるとき、

「おばあちゃんとスイカ食べたの。おいしかったよね。」

「病院で点滴してたよねぇ、注射もかわいそうだった。」
など、話すくらいで「会いたい」とは言わなかった。


「おばあちゃんとはもう会えないんだよ。」

と私が告げると、悲しそうな目で


「おばあちゃんに話したいことたくさんあるのに…」と言ってきた。


「おばあちゃんは、ずっとルナを見守っているんだよ。
ただ見えないだけで、ずっとずっと近くにいるのよ。」


これからもずっとおばあちゃんのこと忘れないでね。
いつか、母の死が分かるときがきたら、たくさんお話してあげよう。
そして、おばあちゃんを知らないユウにも

「ユウちゃんが生まれてくるのを楽しみにしてたのよ。」と伝えたい。